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コラム#3-6 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? 今あるものを見つめて大切にすること。 消費するだけでなく、創造的であること。 仲間と一緒にやってみること。 くるくる喫茶や勝手に環境庁の話を聞いていると、「地球にも人にも優しいって、実現できるのかも」と希望が湧く。 私はどこかで「一人とか少人数が動いたところで、現状は変わらないだろう」と勝手に諦めていたけれど、そうじゃないんだと思った。 一人ひとりのエコな選択と行動が増えたら、そこから変わるかもしれない。 そう信じられる今、私はとにかく実践するのみだ。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#3-2 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? 気仙沼の八日町のまちかどにある「くるくる喫茶」。 @kuru2utsumi 木製の看板には「コーヒー、wi-fi、軽食、電源、その他」の文字。仕事をしたりゆっくりコーヒーを飲んだり、おしゃべりしたりできる喫茶店だ。若い移住者から地元のおじいちゃんおばあちゃんまで、いろんな人がここに集まる。みんなから親しみを込めて「くる喫(きつ)」と呼ばれている。 気仙沼の老舗菓子店だった建物を、店主の吉川晃司さんがリノベーションしてこのお店をつくった。ちなみに名前の読み方は「よしかわ」さんだ。初めて会った人によく「えっ、あの人と同じ名前?」とつっこまれるらしい。 くる喫ではよくイベントが開催されていて、空間の表情がくるくると変わる。 インドネシアから気仙沼に来て働いている技能実習生たちと繋がる1日カフェをやったり、アート展示の会期を設けたり、弾き語りライブをしたり。吉川さんが好きなもの・こと・ひとを介して多様な人が集い、それぞれ自分の「好き」を楽しむ場所になっている。 そんな空間に2022年の冬に現れたのが「くるくるの棚」。 置かれているのは食器や花器、本や小物など。地域の人たちがいらなくなったものを持ち寄ったものだ。これらは、一筆書けば全て持っていって良いものだという。 誰かがいらなくなったものが、誰かにとっての欲しいものになる。 誰かから誰かへ渡る価値の循環がこの棚から生まれている。 毎日ものすごいスピードで大量の新しいモノが生産され消費されているけれど、「あるもの」の価値を信じる人が増えたら、 世界は地球にも人にも優しく変われるんじゃないか、と思う。 (ちなみに、自由気ままに新しいことを楽しむお店なので、訪れた時には空間が変化しているかもしれない!それもお楽しみに) photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#3-3 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? くるくる喫茶の向かいに、もともと酒屋さんだった建物がある。窓ガラスには「お直し考」と書かれている。2023年3月、この場所で開催されたイベントに参加した時に初めて知った言葉だった。 例えば靴下に穴が空いてしまった時、捨ててしまうのではなく自分の好きな色の糸で縫って穴を塞ぎ、お直しして靴下の寿命を伸ばす。 例えば自分が使わなくなった食器や本、子育てグッズなどを蚤の市などに出して今必要とする人に提供する。 いらなくなったら捨てて新しいものを買うのが当たり前になっているけれど、その「いらないもの」は誰かにとっては価値のあるものかもしれないし、ひと工夫で新しい使い方ができるかもしれない。 今あるものの価値を見つめてみる。消費ではなく、創造する。手間をかけるから、愛着が湧く。そしてまた誰かがその価値を見つめて、活かす。その循環を生むのが「お直し考」だと、私は受け取った。 イベントが終わった後、ここもくるくるの棚になった。窓際には誰かが持ち込んだ食器や小物が並んでいる。良い出会いがあれば、誰でも持って行って良い。 並んだ食器たちの中で、一つの灰皿が目に止まる。昔の飲み屋さんで使われていたであろう青いプラスチックの灰皿。レトロなロゴが可愛らしくて、持ち帰ることにした。今、部屋でアクセサリートレーとして使っている。 ものを大切にするための、価値のバトンパス。 これが広がったらいいなと、日に照らされた食器たちを眺めながら思った。 (前の投稿にもあるように、自由気ままに新しいことを楽しむお店なので、訪れた時にはまた新しいことが起こっているかも。それは今後のお楽しみ。) photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#3-1 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? 「持続可能」とはよく聞く言葉だけれど、なんだか壮大で、考えるのをやめてしまう自分がいた。 自然環境に優しいことをしたいし、 人間以外の生き物にも健やかであってほしい。 そんな思いを持ちながら、忙しない日々に流されていく自分。 正直、目の前のことで精いっぱいだ。 でも、このまま「あ〜何にも地球に良いことできてない」と思い続けるのはごめんだ。 できるだけ楽しく、地球に良いことをしたい。 楽しい方が、続けられる気がするから。 じゃあ私にできることって、何だろう? マイボトルやエコバッグを持ったり、 ゴミ拾いをしてみたり、移動手段を公共交通機関にしたり。 自分なりにやってみているけれど、 もっとできることはないだろうか。 そのヒントをもらいに、気仙沼にいる人たちに 話を聞いてみることにした。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-6 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 「せっかくだから、もう少し遠くまで行ってみっか」と、 やっくんは漁港からどんどん離れるように船を進めた。 乗せてもらった船にはお立ち台のようなスペースがあり、ここは何に使うのかと尋ねると、「船に乗せた人が、ここに乗ったら景色良くて楽しいでしょ。だからつけたんだ」と言う。 やっくんは、人を喜ばせるのがうんと好きなのだ。 ブオオオとスピードを上げて進む船。 後ろを振り返ると、さっきまでいた作業場が小さくなっていく。 風を切る。跳ねる波飛沫を見つめる。景色がどんどん変わっていく。海の上は、こんなにも気持ちがいいのか。 大島と気仙沼市内をつなぐ鶴亀大橋が近づいてくる。 初めて下から見上げた橋は、やけに堂々としているように見えた。 橋をくぐる瞬間、遊園地に来た子どものようにはしゃいでしまった。 港に帰ってくる頃には、胸がこれでもかというほどいっぱいになっていた。 私は海の上が好きなのかもしれない。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-5 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 知人の紹介で、牡蠣養殖の漁師さんに会いに行った。 みんなから「やっくん」と呼ばれていて、代々この土地で続く牡蠣漁師。 私が「今日は〇〇さんに紹介してもらって来ました」と話すと 「おー、〇〇の頼みなら仕方ねぇなぁ」と嬉しそうに笑った。 なんと特別に船まで出してくれて、養殖場を案内してくれることに。 「穏やかな湾内で育ててから少し波のある場所に移動する。そうすると身が引き締まった立派な牡蠣が育つ。もまれ牡蠣っていうんだけど。全部場所変えてやるのは手間だし大変だよ。でも、やるんだ」 ゆらゆらと海面に揺れる、丸太に吊るされた牡蠣たち。 やっくんが自然の力を信じて少しだけ手をかけることで牡蠣はすくすくと育っていく。 見せてくれた牡蠣は輝いていて、とても美味しそうだった。 この海が、ここまで育てるのだ。自然の力は想像を超える。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-4 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 白くひかる祈りの帆が、静かにまちを見渡している。 気仙沼市復興祈念公園。 市内のあちこちから、この帆が見えるようになっている。 2011年3月。東日本大震災が発生し、避難所となっていた体育館で行われた卒業式で代表生徒が読んだ答辞が言葉が、今も記憶に残っている。 「天を恨まず、運命に耐え、 助け合って生きていくことが、 これからの私たちの使命です」 10年以上経ってこの言葉に再び出会った時、 このまちの人たちは「運命に耐える」より「運命を変えてやる」くらいの気持ちで今日までやってきたんじゃないか、と勝手ながら思った。 「耐える」という言葉が、なんだか似合わない気がしたのだ。 私が知っている気仙沼は、もっと主体的で、能動的で、「自分たちのことは自分たちでやっていく」という意志に溢れているから。 気仙沼市の復興スローガンは「海と生きる」。 海は時に人にとっての脅威となる。それは忘れてはいけない。 ここに生きる人たちの根底には、海に生かされてきた感謝がある。海と一緒にまちをつくってきた歴史がある。 だから、海と生きる。そう自分たちで決めてきたんじゃないだろうか。 2023年。公園からは 海と、 市場と、 漁船と、 気仙沼のまちが見えた。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-3 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 鶴亀食堂ではその日市場にあがった新鮮な魚を食べることができる。 あったかいご飯と味噌汁、小鉢に漬物。 朝ごはんにここで定食を食べると、体の芯からエネルギーが湧いてくる。 漁師さん以外にも、鶴亀ファンは多い。私もそのうちの一人だ。 ごはんが美味しいのはもちろん、スタッフのみなさんが活発で、漁師さんたちと仲が良くて、その雰囲気の中にいるとパワーチャージできる気がするからだ。 一人で来た時には、カウンターに貼ってある鶴亀通信を読む。 何気ない日常や、離れていた間に起こった最近の気仙沼のことなどが書かれている。 必ず「漁師の皆さん、おつかれさまです!」とメッセージが書いてあって、これを読んだ漁師さんは嬉しいだろうなぁと思いはせる。 壁にかけられた手拭い。 行ってらっしゃーい!の元気な声。 「今日はどうでした?」と弾む会話。 鶴亀食堂は、漁師さんへのリスペクトで溢れている。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-1 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 魚市場が好きだ。 これまで魚市場とは無縁の人生だったけど、 気仙沼に来てから用事があるわけでもないのによく行っている。専用の見学通路があり、誰でもその様子を見ることができる。普段、意外とお目にかかれない漁師さんも。 魚市場は朝が良い。 カツオがザバーっと船から水揚げされ、専用のレーンを通り大きさによって振り分けられていく。 市場中をフォークリフトが行き交う。かなり手慣れた操縦だ。気仙沼の魚市場は競りではなく入札によって魚を買い付けるので、大勢がパネルの前に集まって、入札結果を待つ。 ここでしか味わうことのない独特の緊張感がある。 魚市場は気仙沼の中心だ。まちの脈が動いているのを感じられる。ここにくると「今日も一日頑張ろう」と元気が湧いてくる。 「いつもありがとうございます、おつかれさまです!」と、見学通路から水揚げを眺めながら、心でつぶやく。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#3-5 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? 「気仙沼勝手に環境庁」( @kankyo_ksnm) やりたいから、「勝手に」環境に優しいことを学び、実践する仲間が集まっているコミュニティ。最初はあすかさんが旗を立て、活動していくうちに仲間が増えていき、今は20人以上のメンバーがいる。 私は、詳しいわけでも実践しているわけでもなかったけれど、環境に優しくなりたくてメンバーになった。まずは知ることから、参加することから始めようと思い、これまで開催されたイベントに参加してみた。 廃棄されるはずだった食材を集めて作った料理を振る舞う「もったいないキッチン」、古着屋、キエーロ作りワークショップなどを盛り込んだイベント「勝手に環境通り」。ギフト経済のトライイベントとしてお金ではなくみんなが持ち寄った食材をシェフが美味しく料理してみんなでいただく「もちよりキッチン」。エコバッグやタッパーを持ち込んで必要な分だけ欲しいものを買える「量り売りマルシェ」。コンポストの勉強会などなど。 参加するうちに、自然と「環境に優しいことってなんだろう?」と考える時間が増えたし、知らない間に自分の価値観がどんどんアップデートされていることに気づく。 私はまだ誰かの「勝手に」にのっかって楽しくやっているけれど 自分の「これやりたい」にみんなを巻き込めるようになりたい。 一人でできることには限界があると、仲間が増えて気づく。 みんなと一緒にやるから、楽しい。 写真提供 矢野明日香 ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#3-4 地球にも人にも優しい暮らしって?
地球にも人にも優しい暮らしって? 2016年に気仙沼に移住したあすかさん。 今は自分の畑で好きな野菜を育てたり、鶏と一緒に暮らしたりと、自然とともに生きる暮らしをしているけれど、もともとは東京のIT企業でエンジニアをしていた。 都会で働く中で、ものすごいスピードで進む物事に違和感を覚えたり、体調を崩した時に、食べることが命につながっていることを実感したり。 その経験から、自分が食べるものを自分でつくる暮らしを、気仙沼の唐桑という自然豊かなエリアで始めた。 あすかさんは「畑のsoup屋さん」 @hatakenosoupya の顔も持っている。友だちと一緒に始めた畑で育てた野菜を、みんなに気軽に味わってもらえたらと、イベントに出店している。 「もっと上手に自然と暮らすことを学びたい。私もわくわくするし、自然にとっても良い、そんな風に暮らしのなかに循環が生まれたら」 その思いを種にあすかさんが2020年に始めたのが「気仙沼勝手に環境庁」。 @kankyo_ksnm 「くらしから みらいをかえる」をテーマに、環境にやさしい暮らしを学び、実践する人たちの集い。今実践している人も、これからそうなりたい人も仲間になって、みんなで取り組んでいる。 「勝手に」というのがミソ。強制でもなく、義務でもない。 みんな勝手にやって、それが集まるから楽しくなってくるのだ。 写真提供 矢野明日香 ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから
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コラム#2-2 海のまちで暮らすということ
海のまちで暮らすということ 「いらっしゃーい!」と店内に響く元気な声。 「鶴亀食堂」は、ひと言で言うと漁師さんのための食堂だ。漁師さんたちを応援し、入港を歓迎する店。 朝7:00から店を開けていて、市場直送の新鮮な魚が食べられる。 隣には漁師さんたちが船旅の疲れを癒す「鶴亀の湯」があり、全国各地から漁師さんがやってくる。 9時すぎに朝ごはんを食べにいくと、カウンターに若い漁師さんが二人並んで黙々とご飯を食べていた。 時折、店長のひろなさんと楽しそうに話している。何度かお店に来ているようで、仲が良いみたいだ。 このまちにいる若者とは雰囲気が違う気がして話しかけてみると、彼らは高知県からカツオの水揚げにやってきたらしい。 二人は先輩と後輩の関係だという。 ご飯を食べ終えて「また来るわ!」と出ていく二人。 高知と気仙沼って、陸地で行ったら1300kmくらいある。 ものすごく遠い距離のはずだ。 でも、あんまりに彼が軽く言うものだから、実はそんなに遠くないんじゃないかとも思った。 1300km離れた港に帰ってくる場所があるというのは、どういう感覚なのだろうか。 漁師さんって、スケールがでっかいなぁ。 自分の世界も広げてもらったような感覚を味わいながら、再びごはんを食べた。 photo by asami iizuka ほかにも気仙沼の暮らしに関するコンテンツ発信中! Instagram「海と暮らせば」はこちらから