気仙沼での暮らし方 【Pen.turn女子ブログ】「こっちのお盆はいそがしい」
2017年2月28日
このコラムでは、気仙沼市唐桑半島に移住した20代女子たち、通称・Pen.turn女子が、日々の生活をつづったブログ記事をご紹介します。
唐桑に住んで2年。
お嫁に行って唐桑で過ごす初めてのお盆はいそがしかった!(笑)
わたしは奈良にずっと住んでいましたが,お父さんの実家は鹿児島。お母さんは福岡。だから親戚もお墓も,地元にはなかったので,お盆といっても夏休みの一部でした。
さらに,都会ではないけれど,大阪市内まで30分以内のベッドタウンだったので,まわりもほとんどそうなので,お盆が特別って意識は全くありませんでした。
そんなこんなでお盆の意識が薄かったさちをが今年の唐桑のお盆をレポートします!!
8月13日(土)——————————————————
この日からお盆がはじまります。『盆の入り』と言います。おうちによっては、この日の午前中までに、ひなまつりのひな壇みたく,『盆棚』を飾ります。
果物やお花,提灯など,すごく豪華?です。うちでは盆棚は飾りませんでした。仏壇にもお花を飾ったりして、ご先祖さまが帰ってきます。
わたしはまだ,お盆が忙しいと気付く1日前。(笑)一日ごろごろ~
8月14日(日)——————————————————–
朝8時に義ママと2人でお墓参りに行きます。唐桑では海の見える高台にお墓があります。みんな海が好きだから,ずっと海が見られるようにってことなんでしょうか。
唐桑半島の南側の人達はほとんどここのお墓に集まります。
お墓に行けば知り合いだらけ。(笑)
「孫ちゃんたち帰ってきたんだね~連れていいね~」
「これ,うちのお嫁のさっちゃん~よろしくね~」と知り合いいっぱい・友達いっぱいの義ママは声をかけます(笑)
もちろんだてに唐桑をウロウロしてないわたしも,知り合いにあいました。(笑)
「ちゃんとお嫁ちゃんやってんだっちゃ~」
「さちをちゃん,今日の夜うちでBBQすっからね!」
お墓で今晩の予定が決まりました。(笑)
さあ,これからが本題!!おうちに帰ってからが,大いそがし!!
午前中から夕方まで,入れ代わり立ち代わり親戚がやってきます。
仏壇に,お供え物と香典袋を持ってきます。(だいたい2千円入れるらしい)
その度に,お茶を出して,おんちゃんおばちゃんとおしゃべりして。(笑)
なんやかんやで15人くらい来ました。日曜日休む暇もなかったな~
予定通り夜は近所のおうちでBBQにお邪魔し,その後は唐桑半島の真ん中あたりの中地区の盆祭りに行きました。
この地区のお祭りは毎年盛大で,スイカの早食い・ビールの早飲みが目玉です(笑)
そのために?!仙台から帰ってきた,からくわ丸のだいちゃんも出場!!(笑)
8月15日(月)—————————————————-
平日なのでわたしは仕事でなにもしませんでしたが,大島の親戚のおうちに他の親戚の人達は行ったみたいです。
ママは昨日と逆で、各親戚のおうちを同じように回ります。
仕事から帰って、夜は住んでいる松圃地区の盆踊りに行きました。
子ども達は外のくじ引きに夢中で,店番もお客さんも子ども達。
大人は集会所のなかでグルグルと盆踊り。
唐桑に来ていた福岡出身のイケメン大学生りょうくんも
「ふるさとの歌が聞こえたんで」と『炭坑節』のメロディにつられてやってきました。※炭坑節は福岡県で伝わる民謡。
さっそくりょうくんも,輪に加わるものの,手足がバラバラでガチガチ。(笑)
「ふるさとの歌踊られへんのかーい」と思わずツッコんだのはわたし。(笑)
でも地域のおばちゃんたちが,イケメンと踊れてめちゃくちゃ楽しそうだったので,オーケーでしょう。(笑)
16日(火)—————————————————
早朝,5時半に起きて,眠いまま近くの浜に向かう。
もちろんここでも知り合いに合います。(笑)
ワラでつくった船に,お供え物を乗せて,海にぱちゃぱちゃしてから拝みます。
この船に乗って,ご先祖さまたちは帰っていきます。
そのまま浜の端で燃やします。
「じーさん,ほんでまたお彼岸にね~」と2年前に亡くなったじーちゃんに話しかけます。
※関西弁の【ほんで=そして,それで,そしたら】だけど,唐桑の【ほんで】は関西弁の意味に合わせて【じゃあね,さよなら】としても使われる。
関西弁でいうところの【ほんで】と【ほな】をかけあわせた最強の言葉だと思ってます(笑)
浜からの帰り道に車の中で「お彼岸だともうすぐだね,その次はまた3月のお彼岸?」とママに聞くと「正月も御御霊(おみだま)拝みがあるから,また帰ってくるよ」と教えてくれました。
「なんだ,わたしが実家に帰るくらいじーちゃんも帰ってくるんじゃん~。じーちゃんもいそがしいね」
「じーさんもたまに帰って来ねぇと,オラたちちゃんとやってっか心配なんだべど。」
おうちに帰って6時過ぎ,仏壇でまた手を合わせて,これでお盆はひと段落。
※20日には,『二十日盆(はつかぼん)』,30日『晦日盆(みそかぼん)』と言って,もう何がなんだが,どこがメインなのかわからないし,違いもわからないけど,お盆があるらしいですが。(笑)
なにやら、提灯持って浜にいったりする地区もあるそうです。
やっぱり『漁師町・唐桑』では,昔から航海安全や大漁祈願をすることもあり,『神様事(かみさまごと)・御仏事(おほとけごと)』が昔から大切にされています。
どうでもいいと思わずに私たちの世代でも大切にしていきたいと,感じたお盆でした。
こうして、こっちのいそがしいお盆は、初めていっぱいで、あっという間に過ぎて行きました。