
気仙沼での暮らし方 コラム#望郷編4 「むしろ元気をもらったよ」
2025年4月15日
気仙沼に住んでいる姉から「朝市やるみたいだから行ってみない?」と誘われたある日の帰省。
石川県輪島市で震災前から(調べるとなんと1400年も!)続いてきた「輪島朝市」が、気仙沼つばき会との縁で出張朝市をするらしい。
その日はあいにく大粒のみぞれ雪だったけど、天候を物ともしない活気が会場を包んでいた。
イメージカラーだという明るいオレンジの上着を着た女性たちの張りのある声が響き、テントの中は人がたくさん。
何かの商品が売り切れると、「完売で~~す!」という声と共に、あちこちから拍手の音が響く。
自分のお店でも、そうでなくても。なんだかとても気分が良い。
カラッとした勢いと笑顔は、気仙沼の人々と似ていた。
きっとそれは、人に届くものであり、それを発する自分自身にも届くものなのだと感じた。
「元気にやっているよ!」と「元気にやってかなきゃね!」という、自身の背中を押すおまじないのような心意気。
過去を抱きしめながら、いまを愛おしみ、未来を祈る人のそれ。
開始1時間でほとんどの商品が完売したようで、かくいう私たちも干物やあおさ、塩、手ぬぐいなど気付けば結構買っていた。
ただ、購入品云々よりもむしろこちら側がエネルギーをかなりもらったような気がした。
東日本大震災以降、気仙沼に支援しに来てくれた沢山の人たちが「むしろこっちが元気をもらったよ」と言っていた意味が、なんとなく分かった。
text by michiru (@65niti)
photo by 気仙沼百景 (@kesennuma100)
direction by sasawoka (@sasawoka_works)
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