気仙沼での暮らし方 コラム#3-3 地球にも人にも優しい暮らしって?

地球にも人にも優しい暮らしって?

くるくる喫茶の向かいに、もともと酒屋さんだった建物がある。窓ガラスには「お直し考」と書かれている。2023年3月、この場所で開催されたイベントに参加した時に初めて知った言葉だった。

例えば靴下に穴が空いてしまった時、捨ててしまうのではなく自分の好きな色の糸で縫って穴を塞ぎ、お直しして靴下の寿命を伸ばす。

例えば自分が使わなくなった食器や本、子育てグッズなどを蚤の市などに出して今必要とする人に提供する。

いらなくなったら捨てて新しいものを買うのが当たり前になっているけれど、その「いらないもの」は誰かにとっては価値のあるものかもしれないし、ひと工夫で新しい使い方ができるかもしれない。

今あるものの価値を見つめてみる。消費ではなく、創造する。手間をかけるから、愛着が湧く。そしてまた誰かがその価値を見つめて、活かす。その循環を生むのが「お直し考」だと、私は受け取った。

イベントが終わった後、ここもくるくるの棚になった。窓際には誰かが持ち込んだ食器や小物が並んでいる。良い出会いがあれば、誰でも持って行って良い。

並んだ食器たちの中で、一つの灰皿が目に止まる。昔の飲み屋さんで使われていたであろう青いプラスチックの灰皿。レトロなロゴが可愛らしくて、持ち帰ることにした。今、部屋でアクセサリートレーとして使っている。

ものを大切にするための、価値のバトンパス。

これが広がったらいいなと、日に照らされた食器たちを眺めながら思った。

(前の投稿にもあるように、自由気ままに新しいことを楽しむお店なので、訪れた時にはまた新しいことが起こっているかも。それは今後のお楽しみ。)

 

 

photo by asami iizuka

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